人間がもがく姿を「笑顔」で描いた傑作。
主人公のDEGは、もどかしい時、やるせない時、悔しい時、みじめな時、いつも笑っている。
周りは彼のそんな生きざまを、ダサい、かっこわるい、と刺す。おそらく彼のことを思って。
得てして、自分の感情を隠し、周囲に気を遣い、丸くなった大人はかっこわるいものだ、と語られる風潮がある。
でも本当は、周りからは見えなくても、みんな葛藤し、もがき続けているのだ。
どんなに大人になっても。
ダサく笑いながら。
この主人公DEGのように。
この映画は、そんな私たちの誰にも見えないもがきを代弁し、
勇気を、追い風をくれる。
ラストシーンのDEGは最高だった。
自分ダサいな、と痛いほどわかっていながら、
周りにいてくれる人達のために、誇りをもって、意地でも笑う人は、
誰がなんと言おうとかっこいい。