RyoS

眠る虫のRyoSのレビュー・感想・評価

眠る虫(2019年製作の映画)
3.5
序盤のバスのシーン、乗車時に誰一人パスモにタッチもせず乗車券も取らない時点でもう現実と幻想が曖昧になっている。CDに録音したりバスの運賃を現金で払ったりするのにSiri使ってるという時代錯誤も意図したものなのだろうか。

どこまでも都会的な空間だった。バスは夜になっても乗客がたくさんいるし、おじいさんの散歩道もガッツリ街中にある住宅地。ずっとバスに乗っておばあさん追いかけるってあらすじにあったからちょっと田舎感出るのを期待しちゃったのが間違いだったかな。特にバス車内シーンは音が大渋滞していて都会ならではの不快感に満ちていた。

撮影とエキストラが良い!主人公の意思が弱い系の映画なのだが、エキストラの方がより行為をする側であり、それがとてもおかしくて愛おしくて面白い!監督はとても観察力のある人なんだなと思う。撮影もバスシーンがやたら長かったりと難しいシーンが多いように見えたが、それを飽きさせずにちょっとほっこりする感じに写せるセンス、自分もほしい。
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