真っ黒こげ太郎

マニカルニカ ジャーンシーの女王の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

3.8
今作の予告編集に「サーホー」の予告があったんだけどさ。

近所の映画感が再開されたと思ったらまだ「サーホー」やってる!!!w

うぬぬ…。



戦乱の世のインド。
僧侶の娘に生まれたマニカルニカはビトゥール国の宰相(首相)に幼い頃から剣や弓、乗馬を習い逞しく育つ。
やがてマニカルニカはジャーンシー藩王国の藩王ガンガーダルに嫁ぎ、ラクシュミー・バーイーと呼ばれ親しまれる。

しかし、生まれた王子が若くして死に、藩王ガンガーダルも病に倒れ亡くなってしまう。
更に、悪のイギリス軍が東インド会社と手を組み、併合という名目で藩王国を乗っ取ろうと目論んでいた。
併合によって国を奪われたマニカルニカことラクシュミーは城を後にする。

ラクシュミーは指揮官の1人として反乱軍に参加!!!
インド反乱軍とイギリス軍との戦いが幕を開ける!!!!



「インドのジャンヌダルク」と称された女性指導者の生涯を描いた、歴史スペタクルドラマ大作。
今回はイギリスのインド植民地に対抗した「インド大反乱」の指導者の1人、 ラクシュミー・バーイーの生涯を描く。

今作はインドの歴史大作の映画ですが、「バーフバリ」シリーズとかに比べると割と真面目な内容。
(と言っても前半は踊りやミュージカルはあるし、ギャグシーンもあったりするが。w)
アクションも多くなく後半側に集中。その分主人公の生い立ちを前半で丁寧かつコミカル描いている。

とは言え、そこはインド映画らしく、娯楽を忘れない分かりやすい娯楽大作となってました。
今回は実際の歴史をベースに描いてるので、政治用語が多めで少々ややこしい所はある。
でも基本は「成長した男勝りな王妃が、人々を苦しめる悪の軍相手に、兵を率いて戦いを挑む」という、真っ当なジャンヌダルク物のお話で分かりやすく、最後まで楽しめる。


前半はマニカルニカことラクシュミーの生い立ちと成長を明るい作風で描く。
「お転婆お姫様の成長物語!」的なベタなお話で分かりやすい。
勇敢なヒロインが逞しく成長してゆくドラマは観てて楽しい。
お転婆な姫様が周りの人に「お姫様らしく振る舞ってください!」と言われるベタなお約束シーンもある。w

しかし中盤からは結婚を機に様々な災難がヒロインに降りかかり、一国の王妃として目覚めてゆく。
無論中盤から後半に至るまでのドラもはシッカリと描かれており、誰よりも男気を発揮するヒロインの姿が逞しい。
正に「インドのジャンヌダルク」の名に恥じぬ男気っぷりを披露し、話を盛り上げてくれます。

そして、後半部は国を奪った悪の一国との大バトル!!!
国の誇りと名誉を取り戻すための戦いを描く、泥臭さ満点の大戦争スペクタクル!!!
後半の多くを占める壮大な合戦シーンはどれも見ごたえあり。
ド派手に火を噴く銃と大砲、砲撃の大爆破に吹っ飛ばされる兵士、鋭い剣技で敵をなぎ倒すアクションと兎に角ドンパチ指数満点。
ヒロインの男気も最高潮で、最後の戦いに挑む姿はメチャクチャカッコいいぞ!!!


今作は前作の明るいノリが後半に進むにつれてシリアスになる展開であるが、丁寧にドラマを重ねているからか、違和感なく物語に入り込めました。

そんなこんなで基本的には楽しめるけど、そこまで突き抜けて面白い場面はあんまなかったりするのが残念。
クライマックスは盛り上がるし、ドラマも十分良く出来てると思うけど、超が付くほどには盛り上がりきれんかったと言うか…。


最後に文句を書いてしもうたが、歴史大作ドラマ&アクションとしては良く出来てるし、娯楽大作としても十分見ごたえのある一作でした。

歴史に詳しくない人でも分かりやすいタイプの作品だと思うので、是非どうぞ。
インド大反乱の事は知らんかったんで勉強になりました。
(元々勉強する気ないだろお前。w)