やすやす

マニカルニカ ジャーンシーの女王のやすやすのレビュー・感想・評価

4.5
ああ、こんなに魅力あふれる女性がかつて
インドに実在したんだ。とにかく興奮と感
動と信じられない思いで胸がいっぱいにな
った。勇猛果敢とは彼女のためにある言葉
だろう。大声で味方を鼓舞する姿に思わず
「そうだー」って呼応したくなる。もうこ
んなカリスマ性がある人なら私も一緒に戦
いたい。
ラクシュミー・バーイーといっても歴史や
戦史に興味が無いと知らない人がほとんど
かと。私もセポイの反乱(インド大反乱)
の指導者の一人に女性がいたということし
か最近まで知りませんでした。
美しき女性が鬼の様な形相で英国兵に剣を
振るい次々と倒してゆく。人って必死で戦
うとこういう表情になるんだってうならさ
れる。返り血を浴びたその姿がみとれるほ
ど輝いていて実にカッコいい。
白馬をのけぞらせて剣を高く掲げる彼女は
ナポレオンの有名な絵画を思わせる。そし
て圧政を敷く支配者に抵抗する英雄として
メル・ギブソンのブレイブハートとイメー
ジが重なる。
勇敢なだけでなく慈悲深く常に弱き者を見
捨てない。パーフェクト過ぎる英雄。神格
化されている面はあるだろう。映画だから
脚色もしているだろう。しかし彼女は確か
に実在して今もインドで讃えられ続けてい
る。私ももっと彼女のことを知りたくなっ
た。
140分を超える長さだがダレることも無く
終始引き込まれた。音楽も素晴らしく戦闘
シーンの緊張感をより高めている。インド
映画の実力には改めて驚かされた。
劇場で観ることが出来なかったのが本当に
残念。これこそ劇場で体感すべき作品です。
大スクリーンの中で躍動する彼女を目に焼
き付けたかった。
やすやす

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