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秘密の儀式のENDOのレビュー・感想・評価

秘密の儀式(1968年製作の映画)
4.2
娼婦である女寡のリズがバスの中でプッツンしてる若きミア・ファローに母親認定される瞬間に流れる一筋の涙。朝食でほだされ食べまくりゲップまで出すリズ。風呂に乱入し体を流そうとするファローのしつこさに泣きながら笑う!下品な言葉が溢れ出す瞬間の居た堪れなさ。疑似親子に収まらない情緒が揺らぎ続ける2人の関係の居心地の悪さ!継父ミッチャムと関係し処女を失うと夢から醒めたようにリズを追い出すファロー。屋敷から海を望むホテルへ移行して景色は解放されるが心は通わず。むしろ破滅へと向かう。マッサージしながらホックを外しリズの背中を舌を突き出して舐める天性の色情魔ファロー。ユダヤ系ロシア人の叔母2人の下衆さはリズとの鏡像関係でもある。骨董屋でアメリカ人とバレる時の猫の切り返しが面白い。亡き妻の墓石を蹴って大理石にしろ!と叫び浜辺でリズを醜く太った豚野郎と罵るミッチャムも相当イカれてる。服毒自殺の瞬間は切り返しの瞬間に完璧に省略されつつ死が迫るファローの座る椅子の周りを弁解するリズがうろつく緊張感!リズが一番人間的だからこそ手を汚すハメになる。孤独な部屋でミルクに落ちた2匹の鼠の寓話。ファローの危うい美しさによろめきつつ絶対に近づきたくない女!部屋にムーンドッグの絵が飾ってありました。
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