あまんだ

秘密の儀式のあまんだのレビュー・感想・評価

秘密の儀式(1968年製作の映画)
3.9
少し精神のバランスを崩しているように見受けられる可憐な少女と、事故で娘を失った心の傷から立ち直れない娼婦。娼婦が、少女の母親にそっくりであった事から家に招かれ、風変わりな同居が始まる。しかし、少女の義父が姿を表した時、二人の関係はバランスを崩し始る…。

ミア·ファローの可憐さがすごい。
少女と言いながら、実は少女ではなく、大人の女性なのだが、ミア·ファローも当時24歳。
にも関わらず、その可憐さたるや。
細っそい手足に、厚い前髪とストレートのロング。ローズマリーの赤ちゃんでも着ていたAラインのミニワンピース。あれをあんなに着こなせる人、めったにいない。
それでいて、本作ではその身に起こった数々の不幸から、精神を病み、自分をまだ少女だと思っている狂気の女性を演じきっている。
話が進むごとに青白くなっていくかのような顔。薄い唇。妖精?

そして、大女優、エリザベス·テーラー。
迫力あるボディで、徐々にミアを娘として受け入れていく不幸な中年女性を演じていくが、ドレスアップした時の佇まいは、さすが圧巻。

義父を演じたロバート・ミッチャムを、私は存じ上げないが、飄々とした風貌にも関わらず、とんでもない変態で、道徳心のかけらもない。
狂った親父。その、ちょっとおとぼけな顔立ちにも関わらずの役柄がキモくて、逆に恐い。

観終われば、感想が、ああ…、全員狂ってたなあ…、であり、サイコ映画じやない?て、ちょっとぞっとするのだが、
役者の品で、何故か上品な映画を観ていた気にさせられる不思議な感じ。

良質狂喜です。
あまんだ

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