ピートロ

バビロンのピートロのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
3.9
残念ながらどうしても悪いところに目がいってしまう。
『セッション』や『ラ・ラ・ランド』でも同様だったが、今回も感じてしまった「その扱うジャンルへの愛とリスペクトが伝わってこない問題」。
あとは時代の移り変わりの空気感がないこと。
とはいえ、狂騒と混乱とエネルギーに満ちた世界観や極端で大袈裟なカリカチュアは嫌いじゃない。
なぜか異常に「排泄」へのこだわりがあって、脱糞、放尿、嘔吐、落涙、痰吐きなどが全編に万遍なく散りばめられているのだが、その意味はよくわからない(ただの趣味かも)。
大量に餅つきした後の片栗粉かよ!とツッコミたくなるコカインの山に笑った。
チャゼルの魅力を形成するひとつに「若さゆえの怖いもの知らず」という要素があると思うが、それがハマるにせよハマらないにせよ、いずれにしても今後の活動が気になる監督には違いないと思った。