NAOKI

バビロンのNAOKIのネタバレレビュー・内容・結末

バビロン(2021年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

いきなりゾウの排泄物を頭から浴びるという…映画館の大スクリーンで絶対観たくないシーンから始まる「バビロン」…(笑)

前回のレビューは「バイオレントナイト」という頭からゲロを浴びるアバンタイトルの映画だった…

おれは一体何をしてるのだろう?って気にもなるよね…この調子で3時間…覚悟しろよってこと?

予告を見るとなんだか「ウルフ・オブ・ウォールストリート」みたいな映画かな?(雰囲気が)とか思ってましたが、先日死ぬほどつまらなかった「アムステルダム」みたいだったらどうしようとか不安を感じつつ…

チャゼル…あんまり相性良くないのよ。
「セッション」すごい面白いんだけどテーマについていけず、「ララランド」はミュージカル嫌いでやっぱりダメで、一番感動したのがゴズリングの「ファーストマン」!すごい良かったけどあまりに地味で覚えてない…(笑)

すごい監督だと思うけどおれの好みではないのかな?…という印象…

そして今作…良かったですよ!
色々賛否両論あるみたいですが、おれは「久しぶりに映画らしい映画」を観たという感じがして痺れました。

ブラピとマーゴット・ロビーなのでタランティーノの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」を思わせるし(時代は違うが)クライマックスをトランペットの演奏をバックにコラージュで見せるところなんかコッポラの「コットン・クラブ」(大好き)かよ?!ってガン上がりしました。

サイレントからトーキーに時代が変わる映画界の話が素晴らしく、中世ものの合戦の撮影後、胸に槍が刺さって死んでいるエキストラが発見されたり(笑)代役のマーゴット・ロビーがその演技力で爪痕を残すとこなんてこの映画の白眉だと思いました。異常に躁的な前半とうって変わって後半は鬱々となっていくわけですが凋落するサイレントスターのブラピは抑えた怒りと悲哀を背中で演じていて激渋でした。

そして最も賛否が分かれているラストのクライマックス…まぁ映画讃歌なのだろうけど色々な映画の引用シーンがコラージュで現れるシーンには仰天しました。
「雨に唄えば」くらいなら分かるのですがインディ・ジョーンズやアバターまで使うとは!
チャゼルが一番やりそうもない演出だと思っていたので…こんな青臭いとも言える作り方をするとは驚きでした。
おれはちょっとこのクライマックスには今ひとつ乗れませんでした。(そりゃ気が散るよ!感動する前に君はいくつわかるかな?って感じになるもの…映画ファンなら)(笑)
映画を観ているマニーだけで終わって良かったんじゃないか?とおれは思ってしまいました。

ただきっとプライドが高いだろうとおれが勝手に思っていたチャゼル監督がこんなストレートな手法を使うのは逆に好感度は上がった気はしますが(笑)

それにしてもプロデューサーに名を連ねていることをいいことにけけけと笑うサイコギャングを楽しそうに演じているトビー・マグワイア…
「お前こそいる?」とみんなに言われているようですがおれはあの蛇足っぽい地下クラブのシーンは大好きだったよ!

とにかく狂乱の3時間!
おれは楽しかったなぁ(笑)
NAOKI

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