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バビロンのasamiのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
3.6
『バビロン』
映画館にて視聴。
『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル脚本・監督。
1920年代の映画黎明期〜ハリウッド黄金時代を舞台にした人間ドラマ。
ゴージャスでクレイジーな映画業界で夢をかなえようとする人々の運命を描く。

メキシコ出身の青年マニーは、映画業界のセレブの下僕として働いていたが、いつか映画に関わる仕事につきたいと夢見ていた。
クレイジーなパーティーで彼と意気投合したのは破天荒な新進女優ネリー。
サイレント映画で業界を牽引してきた大物俳優ジャックとの出会いにより彼らの運命は大きく動き出す。
恐れ知らずで美しいネリーは多くの人々を魅了し、スターダムを駆け上がっていくが、トーキー映画の革命の波が業界に押し寄せてくる…


・
常に音楽と賑やかな画面に魅力され、
3時間9分という長さは苦にならなかったです。
音楽はとにかく良かった!
景気の良いジャズバンドが近くで演奏してくれてるみたいでDolbyで見て正解でした。


けれど、最初の20分の糞尿、性器露出のセックス、ドラッグの山には辟易しました。
あそこまで長い時間、露悪的にやらなくても…「もういいよ」と私はスタートで疲れてしまいました。
そこまでやらなくても3人の出会いの奇跡や、ネリーの爆発的な魅力は伝わったのでは…
チャゼルにとっては逆に、その後の3人の生き様を描くのと同じくらい、あの狂ったパーティーパートが大切だったのかな…。
(後半の地獄の穴もしかり)
そういう映画としてみれば面白いかもしれませんが、私にはノイズでした。



ブラピ、マーゴット・ロビー、ディエゴ・カルバの3人はすごく良かった。
ブラピ演じるジャックが「ハンサムくん」みたいに呼ばれながら2枚目役だけを演じ続けるのは、彼の30代のキャリアスタートとも重なる気がしましたし、
マーゴット・ロビー演じるネリーが「私は誰にも指図されないよ」というのも、本人のイメージに重なりました。
最後、落ちぶれたネリーが急に添え物になってしまったのは残念でした。最後まで追って欲しかったな。

ディエゴ・カルバはほぼ初めましての俳優さんですが、ビッグスターに負けない演技でしたね!イルカみたいな瞳が良い。
これから出世しますね!

彼らも含め、この映画は実在の人物やエピソードが盛り込まれているようですが、
その解説は他の方にお任せします…

あとキャストで注目したのはルーカス・ハーズと、リー・ジャン・リーです。
『刑事ジョン・ブック』で有名になった子役出身のルーカスは最近全然出演作を見ていなかったので、出てきた瞬間にっこりしてしまいました。良かった。

リーは、『五行の刺客』でイコ・ウワイスやルイス・タンと共演していました。
アジアン・ビューティーとして謎めいたレディをに演じることで白人至上主義の映画界で生き抜こうとする姿、天晴れでした。
リーにも沢山の映画で活躍してほしいな!
(ルイス・タンに似ている人がパーティーシーンにいませんでした?)



沢山の方が号泣した!と話題のラストシーン。
オレは映画を愛してる!という絶叫をとにかくまとめようとしてる気がして私には刺さりませんでした。
ただ、フィルムが溶けて、華やかなスターたちの人生と混ざり合うようなイメージは、
先日見た映画愛を紡ぐ映画、『エンドロールのつづき』のラストを思いおこしました。

『バビロン』、
私は真っ直ぐ感動とは行きませんでしたが、映画ファンとして観て良かったです。

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