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バビロンのなごhobbyのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
3.6
 映画好きの中で評価が二分していて話題になっていた今作、ようやく観に行けました、

 1920年代、サイレント映画からトーキーへと映画業界が移り変わる激動の時代の中、サイレント映画の大スタージャック、新人女優のネリー、映画制作を夢見るマニーのそれぞれ運命が大きな波に飲まれていく。果たして彼らがたどり着く結末は…

 激動の時代の中でもがく人々の栄枯盛衰を圧倒的な映像と音楽で描き、エンターテイメントの狂気を見せている。冒頭始まって目に入る光景はこれまで自分が映画の世界で味わったことないようなものでした。
 途中マニーが言った「長く続いていくものの一部になりたい」というセリフがラスト10分のシーンで皮肉のように効いてくるのがとても好きな演出でした。
 ただ、ストーリー展開では、前半の怒涛のサイレント映画の時代をテンポよく爽快に見せたのに対し、後半が散漫しているように感じました。見せ物小屋のシーンも歴史に事実としてある狂気として入れたと思うのですが、意図が伝わりにくいし、そういうシーンがいくつか渋滞してうまく伝わってこないのが残念でした。
 個人的にチャゼル監督の描く作品では楽しいシーンや幸せなシーンの中にもずっと皮肉や悲哀などの負の感情が見え隠れするように描いているので、どのシーンでも一定の負の印象を擦り付けられているような感覚になるのですが、今作も同様でそれが自分には合いませんでした。
 
 
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