トリ山羊

ブラックバード 家族が家族であるうちにのトリ山羊のレビュー・感想・評価

3.7
J-WAVEのラジドでタスクさんが紹介していて、知った作品。
ケイト・ウィンスレットは「いつか晴れた日に」から、スーザン・サランドンは「ぼくの美しい人だから」辺りから90年代の主要作品は大体見ている。欧米人の顔を覚えるのが苦手な私が、それぞれ四半世紀くらい好きな女優である。(ただ、最近の作品は「愛を読むひと」ぐらいで殆ど見ていなかったので、最初ウィンスレットが分からなかった😓)
かつ「ノッティングヒルの恋人」の監督作品と聞けば。

番組で概要が紹介されていたので、前知識有りで鑑賞。

死は怖いものだけど、誰も避けられない。
人間の尊厳を尊重するなら、死期を自分で決めたいと思う。しかも痛みなく眠るように逝けるのなら是非と思う。
恢復の見込がないのに、心臓が動く限り死なせないというのは、残された者の逃避とも言える。安楽死とはいえ、殺人だから。

だが、この映画は安楽死云々ではなく、この「犯罪」の共有によって、次世代の娘達や孫が変化を迫られるところが重要なのだと思う。
だから、同世代の夫と親友の話は衝撃的だし、母親の愛の論理は今一つ理解しがたいのだけれど(死後ならともかく自分が生きているうちから、というのが)、気にしないほうがいいんだろう。

前の回の観客と思しき老齢の女性二人組と入口ですれ違った。「私の考えとは違うわね」と言っているのが、聞こえた。
鑑賞後、暫く無言にさせられ、その後、語りたくなる映画だ。
あと、人物の服装の色のトーンや画面配置が好みだった。インテリアもおしゃれ。
トリ山羊

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