のほほんさん

Uボート:235 潜水艦強奪作戦ののほほんさんのレビュー・感想・評価

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潜水艦映画にハズレが無い、とよく聞く。
この作品もその言葉を裏付ける様な作品。

彼らが運ぶのがウランで、本作の舞台の四年後に日本に原爆が落ちたという点は複雑な気持ちにさせられるが、それはこの作戦の有無によってどうにかなったものでもないだろう。


この作戦に挑むのがならず者集団というのがなんともそそられる。彼らはレジスタンスで、リーダーは妻子をナチスに目の前で殺されて以来、ドイツ人への憎悪に突き動かされるかの様な人物。その娘はグループ内の若者と恋人で、射撃の腕がたつ。


優秀な将校でも1年かかるという操縦を、素人集団が3週間で覚えるという無茶。指導を行うのが捕虜となっていたドイツ将校。さらに、ウラン運搬に駆り出されていた現地人のイェンガさん。巨体にしてとんでもない力持ち。


反目し合うリーダーとドイツ将校、陸に置いてくるはずだった娘、差別感情をモロに出すクルーとイェンガさん、などなど不安要素はたくさん。


そもそもみんなど素人。
次々と起こるピンチは割と自分らのミスが引き起こしていたりする。
恋人といちゃついてたら進路をずれちゃったとか。


初めてドイツ軍と交戦した時、祖国の兵を攻撃することに躊躇いを見せた将校(当たり前だと思うけど)は、かつてナチスのユダヤ人への人体実験を目撃しており、いつしかリーダーとも友情が芽生え始めている。


登場人物たちの背景やキャラクターがさりげなくもしっかり描かれていたし、レコードや娘の銃の腕前とか、これまたさりげなく描かれた伏線がその後の展開に繋がってきたり。

魚雷が迫ってくる時の緊迫感とか、仲間との悲しい別れとか、ハラハラがあり派手さもありと見応えのある作品だった。