漫画原作の実写化。
海が近くにある大学へ通うため、叔父の店に居候することになった北原伊織は、突如として大学のダイビング部に拉致同然の勧誘を受け、
なし崩し的にダイビング部へ同級生の今村耕平と共に巻き込まれていく。
初っ端から裸で放り出される主人公。序盤の約30分にわたり主役たちの裸体を見続けることになり、この映画のテイストが嫌というほどわからされる。情に厚くみせかけて基本的にクズな主役二人がとんでもない連中に振り回されていく様が面白い。
特にダイビング部に馴染んだと見せかけて実はずっと脱出計画を練っていたとわかる場面はギャグ映画なのにキッチリどんでん返ししててかなり好感が持てる。そこからのアンジャッシュ芸もまた畳み掛けとして上手い。というか伊織の練習も含めアンジャッシュ芸が全部面白い。
映画全般としてはいくつかの話の集まりという印象で、作品全体として大きな物語の存在感は薄い。それゆえに無駄にシリアスになるとかは無いが、
話の主軸としてダイビングが上手くなるのが随所に挟まれており、それのおかげで作品の一貫性が保たれてるのも非常に技巧を感じた。
とにかく楽しい馬鹿騒ぎの青春という風で、お笑いに捻りが無いのにきっちり纏まりを意識した構成が大変良い。
ただ一点よくわからない点があって、拉致した上に大学に全裸で放り出すような連中が典型的なヤリサーのテニス部を悪しき体育会系として批判しているのはそっちもどっこいどっこいだろとは思った(だからこそ伊織と耕平はずっと逃げ出したかったのかもしれないが)。