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デヴィッド・ボウイ 最後の5年間のKのレビュー・感想・評価

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どういう経緯で出会ったのかはもはや覚えていないし、最初に聴いたアルバムがどれだったかの記憶も曖昧になっている。ただし「★」のリリースは心待ちにしていて、その直後に届いてしまったニュースに言葉を無くしたことは鮮明に覚えている。当時通っていた専門学校の近くにあった未だに何の店だったのかよく分かっていないアパレルショップらしきものの店先に飾ってあったマネキンの顔には稲妻のメイクが施され、ついぞ自分が学校を卒業して目にすることがなくなるまでマネキンはそのままの姿を保たされていた。今でも変わっていないのかもしれない。つい思い出に浸ってしまったが、デヴィッド・ボウイという人のことを思うとき、誰しも自らの人生を振り返ることになるのは避けられないはずだ。彼の音楽は常に人生のそばにあり、きっと今から数十年経った頃(願わくばそれほど長い時間が経過してしまう前に私もこの星とはオサラバしていたいものである)にも今まさにこの頃のことを彼の音楽と共に思い出す瞬間があったりするのだろう。「ラザルス」の息遣いには恥ずかしながら全く気付いていなかったので、今後はそこに注意しながら聴くことにする。
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