物語る事の放棄
これだけラストに主人公とシンクロする作品は稀なのでは無いか?
「ハァ……?」
宙ぶらりんの置き去りである。
内容は、家庭を持たない主人公の老男性に手紙が届くことから始まる。
「実は自分には息子がいた」
送り主の明記のない手紙、一体誰との間の息子なのか?
主人公はその答えを知るため昔の愛人を訪ねてゆくと言う物語。
ラストはかなりのブロークン!
ハッピーエンドの大逃走!
どう言うこったねん!と終わってしまう。
しかし、このラストはたんに掟破りというだけではない。
人生は物語でないのだと、残酷にも、そっと現実に押し出してくれるそんな作品です。
とは言っても作品はコメディー。
子犬のような目をしたビル・マーレイがいいですね。