長いようで短いような、短いようで長いような…パパと娘の10年。
妻に先立たれて男手ひとつで娘を育てるシングルファーザーの10年間の足跡を描いた重松清原作による映画作品。
主人公を演じるのは、あまりにもナチュラルな山田孝之。
闇金でもなければ白ブリーフ一枚の全裸監督でもない。
電車男でもなければお馬鹿な勇者でもない。
けして座布団も運ばない(それ、山田違い)
正真正銘、まっサラサラな山田孝之。
こんな山田孝之にお目にかかるのは初めてかもしれないʅ（◞‿◟）ʃ
ただボクにとってはそんなことは重要ではなく、とにかくフラットな気持ちで観てみようと思いました。
シングルファーザーを題材にした映画ということは「泣かせにきてるんちゃう？」とか、そういった下世話な自分自身の感情をとにかく排除したかったのです。
結果、すごく良かったです。
山田がどうとか、娘ちゃん役の3人がすべて可愛らしかったとか、ケロ先生「そのコケ方はビートたけしですやん！！」とか…そんなことは置いといて、ご近所のシングルファーザーの家庭にそっと触れたような感覚でした。
劇中、悪い人はほとんど出てきません。
優しい人たちばっかりでした。
「いやいや、世の中そんな甘いもんじゃないっしょ💦」ってケチをつけることは簡単だけど、優しい人たちで溢れてたっていいじゃん！！って思えたのですヽ(´▽｀)/
幼い娘を残して亡くなった妻、そうやってはやくに妻を亡くした健一、母親の記憶もなく育っていく娘の美紀。
そんな2人(3人)をあたたかく見守る人たち。
健一を本当の息子のように支える亡き妻の両親。そして、妻の兄夫婦。
なにかと気にかけてくれる上司や、美紀をひいきするケロ先生。
妻への後ろめたさがありながらも心を寄せてしまう奈々恵。
確かに男手ひとつで娘を育てていく10年って、並大抵のことではないでしょう。
だけどそこには必ず差し伸べられるあたたかい手が存在するのです。
そのたくさんの手に助けられながら、健一も美紀も一歩ずつ前に進めたのだと思います。
もちろん、亡き妻の存在も大きいはず。
とてつもない悲しみに一旦区切りをつけなければ、前には進めない。
愛するひとが突然いなくなった世界なんて絶望以外のなにものでもないでしょう。
だけど立ち止まってはいられない。
自分の目の前には愛すべき小さな命が確かに存在している。
この子のために強く生きていかなければ。
妻の想いすら自分のものとして、健一が踏み出した再出発という名の第一歩は本人しかわからない苦悩や葛藤を越えたとても大きな一歩であったはずです。
それにしてもシングルファーザーやシングルマザーの方々には本当に頭が下がります。
子育てというものは、夫婦ふたりでも大変なことだと思うのです。
ひとつの命を育てていくわけですから、大変で当たり前。
それをひとりでってのは想像を越えたものだと思います。
だからこそ周囲のサポートってすごく大事だし、見守る優しいまなざしや差し伸べられるあったかい手が必要。
悲しみの淵から這い上がるためのステップに必要なもの。
それは娘に対する親としての愛情のみ。
悲しみを受け止められず現実から目を逸らしヤケクソになることもできたでしょう。
でも、キラキラした瞳で見つめてくる娘を前にしてしっかり生きていく覚悟を決めた健一は素敵なパパですね💁🏼
それと、健一と美紀の10年間にはしっかりと朋子もいたのです。
亡くなっていても2人と一緒にいました。
朋子の存在が2人の10年間の原動力でもあったのでしょうねヽ(*´∀｀)
原作者の重松清さんの本はいくつか読んだことがあります。
「とんび」や「流星ワゴン」はドラマにもなりました。
ボクはどちらも好きで観ていましたが、かなりベタな展開にもかかわらず毎回…涙ポロポロとまらねーぜ！！でした🤣
今作はそこまで泣かせにくるような作りにはなっていませんでしたが、そこがすごく良かった気もします💁🏼
ま、どちらにしろベタだろうがあっさりだろうが重松さんが書くお話はジンワリと心に響くんですよねーーーヽ(´▽｀)/✨
劇中、2人にとって悪い状況になったり嫌な人が出てきて追い込まれたり…そういう展開はまったくありません。
でも、それでいい。優しくていい。
そんな描写をわざわざしなくても、この2人には目に見えない苦労がやまほどあったことなんてわかるもん(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
だから、優しくてあったかいところだけ見せてくれていいって思えた😊♪
この映画を観て「人にやさしく」ってあらためて思う人たちが増えたなら、世の中って捨てたもんじゃないですよね💁🏼💕
もちろん、ボクもそんなことを自分自身に再確認できました(*´∀`)♪
あれって、明るい未来につながっていくバトンだったんだね🧡
