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ステップのKUBOのレビュー・感想・評価

ステップ(2020年製作の映画)
4.2
2月6本目の試写会は山田孝之主演『ステップ』。

山田孝之が普通の役をしている。『ヨシヒコ』『ウシジマくん』『全裸監督』と、普通じゃない役を極めつくした山田孝之が、妻を亡くしたシングルファーザーの役を演る。普通なら妻夫木聡あたりが演りそうな役を山田孝之が演る。そして、それが素晴らしいんだ!

保育園〜小学校低学年〜小学校高学年と、成長に合わせて3人の子役がリレー形式で演じるが、これが『ムーンライト』ばりにハマっててすごい! この子役たちの魅力は本作の大きな見どころだ。

早くに妻を亡くし、父親ひとりで仕事と育児を両立するパパ(山田孝之)。保育園へのお迎えのために早くに会社を出るパパは「申し訳ない気持ち」に苛まれる。これが、まだ日本の実情だ。

私も以前、妻がガンで闘病中、同じような体験をしているので、大いに共感できた。

それでも、ママのいないミキちゃんとパパは、ママのご両親であるおじいさんとおばあさんや保育園の先生など周囲の人たちの優しさに触れながら、新しい家族の形を作っていく。

タイトルの『ステップ』は、「一歩」という意味もあるだろうし「=in law」という意味もあるだろう。深いタイトルだ。

「家族の形は変わり続ける」
「死んだ家族もずっといっしょにいるんだ」
「家族とは笑顔が生まれる場所」

重松清原作の、爽やかに泣かされる映画。秦基博の主題歌もエンドロールで深い感動を呼ぶ。

特に子育て中の世代に、子育てを終えて孫を持つ世代にもオススメです。
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