武田健一は30代のサラリーマン。妻を亡くし、2歳半の娘・美紀と2人の生活を始めたばかり。花形の営業から総務に転属させてもらい、なんとか定時上がりで保育園への送迎もこなす日々だ。くじけそうになりながらも美紀がすくすく育つ姿を見て元気を取り戻す健一。いろいろな思い出を重ねつつ、美紀はやがて小学校に上がり…
「ステップ」
以下、最初で最後の、息子からのネタバレです。
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重松清原作ってことで期待するも、プロットからして間違いなく「泣かせ」案件。涙のせいで、たとえクズ映画でも「良かった！」と言ってしまうかと思いきや
ご安心を。
本当に良い映画でした。断言します。
この手の「泣かせ」案件で邦画にありがちな部分…主人公が絶叫 and/or 号泣するシーンがないってだけで高評価。東京03の角ちゃんと昼間のケロ先生以外、誰も大きい声を出さないのがポイント。そして劇的な展開がなく、物語そのものは平坦であること。健一と美紀の2人が送った10年の日々が割とゆったり流れるように描かれているのが好ましいんです。子育てってのは親の成長ドラマでもあるわけで、単に子の心を理解していくだけでなく、義理の両親との距離やパートナーとの関係など、新たな一歩を踏み出す過程が丁寧に描かれてもいるんです。山田孝之&國村隼の抑えた演技合戦、岩松了の昔ながらの上司像、広末涼子の目ジワが見せる絶妙な熟女感、そして美紀を演じた子役たちの天真爛漫さ…という具合に演者たちも最高。凝った演出もあざとい泣かせ演出も少なく、白けたり冷めたりすることはありませんでした。というか、もうずーーーっと泣いてましたよ俺。20年分くらいの涙は出たと思う。山田孝之、俺が脱水で倒れたらどう責任取るんじゃい！
タオルハンカチ3枚持って、ぜひご覧ください。オススメですっ！
