嶽花征樹

アンテベラムの嶽花征樹のネタバレレビュー・内容・結末

アンテベラム(2020年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ネタバレ厳禁な作品。本編とポスターの出来は最高なんですが、公式サイトや予告編は最悪なので、どれだけ事前情報なしに見れるかの勝負になるかと思います。

自分の場合、木曜日に存在をしって急いでムビチケ買って土曜に見に来た、という感じで事前情報なしだったので助かりました。冒頭あたりは見に来た映画を間違えたのか?と思うくらいですが、そのおかげで綺麗に作品に翻弄されたかと思います。

逆に言うと、キモとなる部分が分かってしまうとかなり価値が薄れるとも感じました。予告編見ちゃった人は気の毒としかいいようがないです。予告編を見てない自分も、国産ミステリー小説で似たようなトリックをすでに見ていたということもあり、『ゲット・アウト』や『アス』に比べると、個人的には熱狂的に好きかと言われると疑問に感じます。

こんな事言ってますけど、面白いかどうかで言えば面白いですし、いろいろと演出や伏線が素晴らしかったのは事実です。格言によるミスリードの仕方、摘んだ綿を燃やす伏線、スマホが出てきた瞬間の驚きの上手さはかなりのものですから。特に着信音だけで最大限の違和感をぶつけてくる部分は近年類を見ない、シンプルかつダイレクトな仕込みでしょう。この映画に「ラスト*分での衝撃!」といった安易な煽り文句を付けないでくれたのはありがたかったですね。

とはいえ前作がかなりお気に入りだったので、期待が高すぎたのかもしれません。そうでもないと映画館に行ってまですぐみたいと思わないですし。前2作と比べると、あまり考察する余地がないのが自分好みじゃなかったかもしれません。

と思って製作陣を確認し直したら、監督は違う方達だったのですね。そりゃ持ち味が違ってくるし、期待どころとズレるのも当たり前ですね。

なんだかんだいいつつも品質は高いと思ったので、なんだかんだで次の作品も映画館ですぐ見ると思います。この新人監督の作品も。

以下、作品とは全然関係ない話。

単館系映画館ともいえるキノシネマ天神で観てきたんですけれど、客も10人以内で静かに見れると思ったら、3人くらい途中で入ってきて画面を遮ったり、ポップコーンは食べてないんだけど何か物音を立てたり、スタッフロール中に画面を遮ったり、両手を延ばして画面を遮ったり、という被害にあいました。

単館系にわざわざ来るような人なら、映画に対する人生での順番は上位じゃないかと思うのですが、単に他人への気遣いない無神経な人でも映画が好きな人は居る、って事なんでしょうか。ほんと席ガチャについては悩ましいですね。

あとキノシネマ天神、ムビチケは使えるものの、オンラインでは席予約ができないので、劇場に来て窓口でムビチケ番号とパスワードを口頭で伝えて、店員さんのタッチパネルで反映させる必要がありました。もう少しどうにかならないですかね。せめて公式サイトにその旨書いてもらえると慌てなかったんんですけれど。映画館自体は最近できただけあって、小洒落た感じで好みでした。

F5と真ん中の席に座ったんですが、思ってたよりスクリーンから距離がありました。KBCシネマくらいと考えておくといいかもしれません。椅子は最新式でリクライニングができる形式なのですが、意外と音が出るので上映中は他の人の迷惑にならないように注意が必要とも思いました。座り心地はよかったです。
嶽花征樹

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