さすらいの旅人

アンテベラムのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

アンテベラム(2020年製作の映画)
3.9
懐かしいTV「ミステリー(トワイライト)・ゾーン」を思い出す…
【VOD/music.jp動画/ポイント配信視聴/シネスコサイズ】

本作はネタバレ厳禁映画のため、前知識なしに観ることをお勧めします。

「そう来たか!」映画後半に思わず声をあげてしまった。
大どんでん返し系の映画になるが、ネタ自体はそんなに驚くべきものではないと思う。昔観たTV「ミステリー(トワイライト)・ゾーン」にも似たようなエピソードがあったからだ。ただ、初めてそのネタを知った方は驚きを隠せないでしょう。

黒人の女社会学者であるヴエロニカと南軍支配下の農園で重労働に耐える女奴隷エデンとの二つのストーリが交錯するスリラー映画だ。内容については伏せるが、映画的センスに溢れている映画であり、映画通を唸らせる映画と言える。製作者が「ゲット・アウト」「アス」の人物なのでスリラー感溢れる雰囲気と出来映えは満足できる。

ヴエロニカが白人に差別されているような違和感を日常風景に意味ありげに入れているところが良かった。特にホテル内やレストランでの場面では、観客にも不安をあおるような描写があり、スリリングであった。あと、ヴエロニカがホテルで会った白人の少女が不気味で恐怖を感じた。ホテルの長い廊下に何も喋らずポツンと立つその姿は、映画「シャイニング」の双子の姿に似ており恐ろしい何か感じさせるシーンだ。

これ以上話すと未見の方に失礼になるので終わります。