この時期に公開された映画はかわいそうだ。なので配信による緊急公開にて鑑賞。
変わったスタンスの映画だった。
ポスタービジュアルと『Last Lover』というタイトルからはラブストーリーかと思えるけど(まあ、ラブストーリーではあるのだが)、これは、いわゆる「見える人」の周りで起こるスーパーナチュラル系のお話。
ウザいくらいにラブラブな2人を延々と見ていると、なんと彼氏が事故に遭って死んでしまう。ところがその彼氏が幽霊となって目の前に現れる。
幽霊になってもウザいままの彼氏にコメディか(?)と思っていると、彼女の周りで次々と殺人事件が起こる。
コメディにも、ホラーにも、泣けるラブストーリーにも、どれにでも寄せられたのに、あえてどのジャンルにも寄せなかったのは、中途半端とも言えるし、監督の色なんだろうけど、このバランスで作品を成立なさしめたのは、一重に優美早紀さんの演技力だろう。
もちろんウザい彼氏役の安藤慶一さんもよかった。と言うより、この映画はこの2人芝居のシーンが多いし、2人のバランスがおもしろかったんだろうな。
なんと言うか、演劇的。そのまま舞台になりそうだ。
終盤ちょっと長いんで、もっとスパッと切り上げる手もあったろうけど、優美さんの迫真の演技を切れなかったんだろうな。
アパートも会社も、撮るアングルもほぼ固定だし、もう少し撮影に工夫できたらもっと良かったかな。