ちこちゃん

キンキーブーツのちこちゃんのレビュー・感想・評価

キンキーブーツ(2018年製作の映画)
5.0
Ladies and Gentlemen そして、まだどちらか決めかねているあなた、
3000円が高いと思っても、映画館でみることをおすすめします。

圧倒的な歌とダンス、これぞミュージカル。それを大画面で見て大音響で聞くことの興奮と楽しさは映画館でしか味わえないからです。

ノーザンプトンの老舗の傾いた靴工場を父の突然の死去によりつがなければならなくなったチャーリーとドラッグクイーンとして生きているローラ。その2人が出会い、お互いの共通点を見つける。それは、どちらも父の願う息子にはなれなかったこと。チャーリーは情熱を傾けるものが見つからず、父から後継ぎを望まれながら靴工場に興味がない。ローラはプロボクサーの父がなれなかったチャンピオンになることを望まれたが、男として生きることよりもドラッグクイーンとして生きることを選んだ。そんな二人が出会い、チャーリーは靴工場の立て直しをドラッグクイーン用の靴をつくるというニッチ市場を狙って目指し、ローラはその靴デザイナーとしてチャーリーと働くことになる。

人をありのままに受け入れること、偏見を捨て、多様であることを受け入れることの難しさと、それに必要な勇気と優しさ、それらが靴工場の従業員、チャーリーとローラの歌とダンスによって体現されていく。涙と笑いと感動とともにその重要性とプロセスが映画で表現される。そこにローラのマイノリティであることの悲哀が表される。
本当に涙あふれる、でも超ポジティブになれ、自己肯定ができる映画です。

ローラはもちろんですが、ドラッグクイーンのエンジェルスのダンスがキレキレですごく楽しい。そしてチャーリーと恋仲になる従業員のローレンがとても良い味を出しています。歌がとても上手。
ローラの映画のように見えるけれど、本当はチャーリーが主人公です。チャーリーは最初から最後まで出ずっぱりで歌もものすごく多い。チャーリーに支えられているミュージカルだと思う。

将来、絶対このミュージカルを生で見たい!と感じさせるすばらしい映画です
ちこちゃん

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