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キンキーブーツのmiumiuのレビュー・感想・評価

キンキーブーツ(2018年製作の映画)
4.5
松竹ブロードウェイシネマさん、上映してくれてありがとう!

ロンドンウェストエンド版キャストの『キンキーブーツ』。
映画版が大好きで、舞台も観てみたい! と思っていたから観られて嬉しい。
ゴージャスで華やかなダンスと歌が素晴らしく、キャストの力量に酔いしれることができた。
ミュージカル俳優ってやっぱりすごい!
ローラ役のマット・ヘンリーは今作でローレンス・オリヴィエ賞のミュージカル主演男優賞受賞ということで、圧巻のパフォーマンス。
チャーリー役のキリアン・ドネリーも『レ・ミゼラブル』『オペラ座の怪人』など多数の有名ミュージカルに出演する実力派。
私は特に、キリアン・ドネリーの歌声が好みで、歌い出す度にうっとりした。
オリジナルはシンディ・ローパーが楽曲を手掛けトニー賞も受賞、ということでとにかくポップで楽しい、クラブでショーを観ているかのようだった。

ストーリーの主な舞台は英国の地方の靴工場。決して華やかな場面ばかりではない。
ミュージカル=華やかで誇張した表現が多い、という認識だったんだけど、今作はミュージカルパート以外の場面で脇を固めるキャストが極めて自然に背景に溶け込む演技をしていて(ストレートプレイの演劇みたいに)、それにも感心した。


台詞や物語の展開はほぼ同じなのに、映画版とは何だか受ける印象が違うなあ…
と序盤から感じた。
(舞台向けに華やかにした場面がいくつかあるものの、基本のストーリーは同じ)

何が違うのかと言うと、物語の中でのローラの立ち位置とキャラクター。
ドラァグ・クイーンのローラが舞台版ではキャラクターがとことん突き抜けていて、ローラが全て解決してしまう感がある。
ミュージカルだからわかりやすい方がいいし、コミカルな要素が多くて楽しいからいいんだけどね。
「俳優のパフォーマンスも含め、ミュージカルとして」のこの評価だけど、私は元祖・映画版が好き。
ただし、お客さんも巻き込んで劇場内で熱狂できるミュージカルはやっぱり素晴らしいと思う。
(と言うことで、映画版とは全く違う視点で高評価つけてます。)
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