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トルーマン・カポーティ 真実のテープのrexsolusのレビュー・感想・評価

4.1
ミック・ジャガー、アンディ・ウォーホル、ブロンディのデボラ・ハリー、ピカソの娘らと一緒に写ってる写真が印象的。「冷血」や「ティファニーで朝食を」などの成功とそのキャラクターでニューヨーク社交界の寵児となるが、一転、Esquire誌に連載した「叶えられた祈り」で交流したセレブリティらの裏側を暴露して大騒ぎを起こす(本家Esquireて当時は相当尖った雑誌だったんだ!)。まるでサキの短編に出てくる人の言葉を話す猫トバモリーのような人。外見にはコンプレックスがあったはずだけど、ニューヨーカーはこういう才気溢れる皮肉屋が好きそうだし(ウッディ・アレンとか)、美的センスはいいからフォトジェニックでスタイリッシュなポートレートを数多く残してる。映画化もされたピュリッツァー賞作品「アラバマ物語」の作者ハーパー・リーとは幼馴染で、作中にカポーティーをモデルにした人物がに登場する。発見された肉声テープを元に、どうしようもなく鼻持ちならないのに人を惹きつける複雑で不思議な人物像を、関わりのあった人たちへのインタビューを交えてちゃんと伝えてる。真実が明らかになったかは別として、彼に興味があれば面白いはず。
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