つん

トルーマン・カポーティ 真実のテープのつんのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

5ドル札にアイロンをかけるような世界で、本当の愛を見つけるのは至難の技だろう。
知性と文才があり、独自のセンスと歪んだ思考の持ち主カポーティ。
社交界や上流階級に身を置くことによって、自己肯定感を高めていたのかなと感じる。
彼はLGBT、ノンフィクション小説、リアリティ番組など多くのものの先駆者だった。

「みんな自分を面白がるし魅了されもするが、愛してはくれない」と本人が語るように、派手な世界や富裕層や権力者との交流は、1人でいるより孤独を感じるものかも。
誰でもない人が1番幸せなんだろうなと思わされる。

若い頃に美少年として扱われていたとは知らなかった。
個性的なヴィジュアルと発想力行動力のに魅力があったというイメージ。
暴露本を出した時点で誰のことも信頼していなかったと思われたし、誰からも信用されなくなった。
結局、彼に自分のことを話さなかった人しか残らなかった。

養子のケイト・ハリントンに、毎日ジャーナルを書くように言っていたくだりで、自己評価や自己肯定を常にしていくことは実は大切なんだな、と思わされた。
私はもう自分に興味がなさすぎて、アイデンティティすら失っているのかもしれない。

どんな才能があっても、世に言う成功をおさめた人も、大抵の末路がクスリなのが残念すぎる。
それがありがちな結果として認識しているので、世界的に有名になってトップクラスにいる人が、クスリで身を滅ぼさず、精神も安定していると、とても尊敬してしまう。
つん

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