中流家庭の主婦が、次々と生じる冠婚葬祭の支出を前にして「老後の資金が足りない!」と焦るコメディ。
社会状況を考えれば、普通に笑えない話。
けれど主人公があまりにバカで、老後の資金が足りないのも、自業自得だと思ってしまった。
セールスマンや親族に提示されるがままの額を払って、それで大騒ぎするのはおかしい。
もう少し頭があれば、良い具合に交渉して身の丈に合う範囲でできるはず。
結末も腑に落ちない。
老後の問題を先延ばしにしているようにしか見えなかったし、ハッピーエンドでなぁなぁに収めている感が否めない。
日本社会にタイムリーな現実的なテーマを扱っており、そこに関心を示して観る人も多いはずなのに、この結末じゃお粗末では?
最後は現実路線でキッチリ締めてもらいたかった。
巷では2000万円が必要だと言われて焦っていたが、自分たちなりのライフプランを練り直したらそこまでお金は要らないと思った…などの建設的な思考の過程があった上でのラストならまだ良かった。