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ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~のmoonのレビュー・感想・評価

4.2
1998年 長野冬季オリンピック

忘れもしない!最終日のジャンプ団体の金メダルと原田選手の泣き笑いの喜びの姿は リレハンメルの雪辱を果たしたという事も有って 非常にドラマチックだった!

そして
東京オリンピックが開催される約ひと月前に公開となった「ヒノマルソウル」
あの裏で、こんなドラマが有ったとは!
西方選手がテストジャンパーだったのは 同県民として、知らなくて 全く失礼した!

一言 感動した!😂

主要人物一人一人に感情移入出来る 素敵な脚本だった。
悔しさや 怖さ 人間の心の弱さ、嫉妬 醜さも共感出来た。
そして 希望や友情、親子愛、夫婦愛
不屈の精神 オリンピックに懸ける 高い志にも共感し、心揺さぶられた!

この映画はコロナの影響が見え始めた昨年2月頃撮影されたらしい。
そして、公開もコロナで延期された。
今作品には
オリンピックに懸けるスポーツ選手の偽らざる本音の部分が描かれていて、何度も身につまされた。

[以下ネタバレ含みます]



オリンピック前日に合宿所で 西方選手がリレハンメルの経験を
「翔んでる間の記憶はないが、着地した後の地鳴りのような歓声と拍手が忘れられない」と語るシーンは、そこに居る全ての選手が その歓声に無常の喜びや達成感を得るのだろうなと 解る。スポーツ選手が、オリンピックに憧れるのは、自分の技を大勢の人々に観て欲しいからなんではないだろうか?それが全てではないだろうが…。

今年 あと僅かで訪れる 夏季オリンピックは もしかすると無観客になる…

オリンピックを夢見て やっと出場権を得た選手が、拍手も応援も喝采も無い中で 競技をすることになるのは仕方ないとはいえ
あまりに 切ない…と思った。

高橋の難聴を跳ね返す程の明るさ 無邪気さ「神崎の酒にウーロン茶を入れとけばいい」(笑)や、南川の ちょっと斜めな意地?の中に将来の希望を語るなど、この3人のシーンが とても好きだった。団体戦テストジャンプで 成功した時、高橋に聴こえた仲間の声…良かった!

あの頃 女子にはオリンピックでのジャンプは無かったんだ…そんな中で、懸命に飛ぼうとした小林。健気さに泣けた。ああいう先駆者が居て、今があるのだな…

原田雅彦選手 彼には彼の 大きな苦悩が有った。なんとしてでも、今度こそ金メダルを取る❗取らねばならぬ❗そして、 西方と葛西の分まで飛ぼうと 二人からアンダーシャツとグローブを借りて飛んだ!そして 見事に 大ジャンプ成功❗

「僕じゃない。みんな…みんなが」と涙で語る原田のみんなは テストジャンパー全員も含まれてたんだ…と 改めて知った。


役者は皆 本当に素晴らしかった!
原田雅彦さんを演じた濱津さんは、飄々としながらも 繊細な気持ちや思い遣りを感じさせる原田選手を 見事に演じてらして 感心した。太鳳さんの良妻ぶりも素敵だった!山田裕貴さんの お茶目で、ハンデに負けない若者像が 良かった!そして、恐怖で飛べなかった南川が、皆の為に飛ぶ 事で勇気を得た姿が かっこいい。
そして、
原田に落ちろとまで呪った西方が、自分を信じてる 全ての人の為に 最後のジャンプを成功させるまでの心の過程が、丁寧に描かれていて、本当に 感動した。田中圭さん良かった。


最後にどうしても言いたい!

オリンピック会場に 日本各地、いや 世界中からリモートで 拍手や喝采を届ける方法はないだろうか?出来るんじゃないか?
そういう方法を 早めに検討して欲しかった!!
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