たいてぃー

星の子のたいてぃーのレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
3.6
大森監督作。今作は今村夏子の原作で、宗教ネタ。大森監督作品は、世間から外れた感のある人物を鋭く描くってイメージが強い。本作では頼れるものがなく、怪しい宗教にのめり込んでいく家族の話。
大森監督作であれば、強烈な描写が出てきそうなものだが、極力抑えられている。催眠術を使ってるとかの噂話で済ませている。だけど、岡田将生演じる南先生が、芦田愛菜演じる主人公の中学生ちひろを追い詰めるシーンが強烈。これを強調するために、他を抑えたってことかな。
ちひろは、南先生に車で送ってもらった時の不審な人物を両親だと告白するけど、すぐにウソと否定する。このあたりの微妙な心情表現がいい。海辺のシーンも心に残る。この時の表情もいい。そして、ラストの親子3人で、夜空を見つめるシーン🌟。流れ星探しに高じる姿は家族愛が感じられたが、重たい空気も感じられちゃって。色々と考えさせられる、いい終わり方。
役者は、芦田愛菜他ほとんどがいい。その中でも、ちひろの姉役の蒔田彩珠。「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」での演技から注目してて、「朝が来る」(レビュー未)でも凄かった。本作でも、両親に反抗してるんだけど、家族思いも垣間見せる、そして妹ちひろに影響を与える重要な役柄を上手く演じてる。今後も注目要だね。