ギャス

星の子のギャスのレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
3.2
人の幸せとは何かを考えさせてくれる。

薄っぺらい美青年教師の存在がいい味を出していた。
常に表面的で偏見に満ちていて、宗教の"外の世界"をある意味代表するよう。
もう一つ、宗教の外の世界を象徴的に代表するのが叔父の家族。本当に心から子どもだけでも"救いたい"と動こうとする"善良で親切な"人たち。

そして映画の中にもうっすら描かれているが宗教の"中の世界"におそらく催眠術も拉致監禁、金銭問題もあるのかもしれない。

何かを信じる人たち、何かを信じない人たち、それぞれに善良性と暴力性はある。

普通とは?幸せとは?
ラストシーンに何を感じるかが問われる。

ネタバレ
ちひろの両親が仲が良く善良で、子どものことを想い、だれに迷惑をかけるでもなく特に不幸せでない場合、
そこから引き離されたりされるのは不幸だし、否定されても何も良いことをうまない。

ちひろが何かがおかしいことに気づき(気づかせてくれたのは青年教師の存在なのが面白い。彼女も表面しか見ていなかった)ながらも家族と幸せに過ごせている時間をラストシーンに持ってきたのは、
何が正解なのかわからないような後味を残していて良かった。

何を信じるかなんて人による。
推しがいる人生は幸せ、と言うが、課金や儀式、宗教とほとんど変わらない。

極端に間違っている時、それを判断できる精神のバランスさえあれば、何かを信じることで、人は幸せになれるのかもしれない。
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