結局カレー

星の子の結局カレーのレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
3.6
あ、親ってある種「宗教」なのかも。新興宗教にハマる両親を持つちひろの話。

ちひろが中学生ってのが絶妙で、少し視野が広がって周囲との違和感に気づく頃、だけどまだ親離れできない幼さもあってその違和感にまだ覚悟は持てない頃。興味深いテーマながら想像よりちひろ自身にフォーカスされてて、その中学生特有の曖昧さがまんま映画に反映されたような感じ。明確なアンサーがあるわけじゃない。でも頭に水をかけられてたときの様子や教団の噂に不安が募る様はもうちひろの中にある違和感を証明しているようで。両親が宗教に心酔するようにちひろも両親を信じているから否定できない、いや、逃げられなくなってるんだろうな。本人の意思はさておき。

自分自身信仰はないけど、信仰する理由はわかる気がする。人は揺らぐし”信じる”って脆いから、そこに確か(と思われる)な教えをくれる人が現れれば縋りたくもなる。ラストは「え、終わり?」ってなったけど星空を眺める両親とちひろが噛み合ってなくて、ああこの溝はもう埋まらないけど突き放すこともできない、これからも迷って生きるんだろうなと切なくなった。良くも悪くもちひろの未来が想像つかなくてモヤモヤ。

まぁとりあえず新村くんと結婚したいよね。