ちひろ15歳の視点で描かれているので彼女に世界がどう見えているかを我々は共有する。
劇的なことは何も起きない。
(水入れ替え事件と先生ブチギレくらい)
家庭環境のことは置いておいても15歳ってこんな感じだったなーと思った。
親友のなべちゃんは精神的に大人っぽく、包容力があって、こんな子がちひろの一番近くにいて良かった。
なべちゃんの彼氏もいいね。
まーちゃん、ちーちゃん姉妹の愛情深いつながりが良かった。
妹のちーちゃんが生まれる前は家庭に宗教も入り込まず、シンプルに幸せな家庭だったと思うとせつない。
ちひろ役は芦田愛菜さん以外にはあり得ないと思えるほど、心の外と中が繊細に見えるような素晴らしい演技でした。
一方、周りのキャストが豪華すぎて、芸能人いっぱい出てる、みたいな感覚になったところが映画への没入の点で少しもったいなく感じました。
(新生児と永瀬正敏さんの冒頭、え?孫でしょってなった)
岡田将生さんのよく通る美しい声で罵倒されて怖くて震えた。大人でも泣きそう。
集会に不信心者のおじさんが紛れてるの笑った。
不信心おじさんも夢中にさせる高良健吾の焼きそばの破壊力。
集会に来る子どもたちが焼きそばを何より楽しみにしてるのもリアル。
ちひろの両親の信仰心が一途でピュアすぎて、問題はあるけどそっとしておいてあげたい気持ちにもなった。
孫も生まれた熟年夫婦がとても仲睦まじい。
親子3人が肩寄せ合うキービジュアルの夜空のショット、実はこういう場面だったのか。
ものすごく不穏な流れからのラスト。何も結末とならないけど、じわっとせつなくなる。
ちーちゃん、流れ星ほんとは見えてないのに見えたって言ったでしょ。
11時までの大浴場に間に合いたかったんだね。