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星の子のSUのレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
3.5
本当に日本の若手女優の巧さには驚かされるばかり。本作にも芦田愛菜ちゃんはもちろん、脇役子役の子に至るまで皆巧い。

そして徹底的にリサーチをしたんだろうなと思うほど、信仰宗教の描写がリアル。避けられがちでタブー扱いされていたテーマに対して、真っ向から挑んだ貴重な一本。

家族の形は様々で、受け取り方も様々。思春期の難しい時期に入り、幼少期の頃は何でも無条件に受け入れ、その全てが正解で、そのすべてが愛と感じる。一点の曇りもない家庭に対して入り込んでくる疑念と、周りの声に傷つけられながらも自分の抱いた思いだけは曲げずに持つ真っ直ぐさ。繊細な時期を経て、今大人になろうとしている過程をしっかり丹念に描いている。
人間の良し悪しも様々。教師で数学ができても自分のマイナスになる事、不快に感じることは許せず教え子であろうと感情を荒げて爆発させる人間もいれば、能天気で難しいことは何も考えず家庭環境がどうであろうと自分が向き合っている人だけを見て変な色眼鏡を持たない人間もいる。
その絶妙なバランスで成り立っている世界、人によってその比率は様々で、それによって世界は大きくことなる。
幸いちいちゃんは周りにいる人達には恵まれているように見えた。
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