ベンジャミンサムナー

星の子のベンジャミンサムナーのレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
3.5
 見終わった直後はあまりにフワッとした終わり方に唖然としたけど、家に帰って思い返してみて"何が真実か"を明示するよりも、ちひろが"何を信じるか"に寄り添った結果なのだと少しずつ腑に落ちてくる。(実用主義に基づいた作品とも言える)
 
 南先生が女生徒に手を出してるとか、両親が傾倒している宗教団体が裏で洗脳、監禁、リンチをしてると言った劇中で流れてくる噂を噂のまま留めておく事で観客にも「何を信じる?」と問いかけてくる。

 ラストで母親が「まーちゃん(家を出てったきり帰ってこないちひろの姉)に子供ができた。元気にやってる」と告げるが、ちひろが直接やりとりしたわけではないので、両親がちひろを言い包める為についた嘘ともとれる。

 芦田愛菜の演技は、南先生に両親を見られたショックを無言の横顔で表現する場面が印象的。