このレビューはネタバレを含みます
僕は今村夏子のことが大好きで最高の小説家だと思っているのでその前提があるけど、良かった。
・芦田愛菜ハンパない
クソでかオーラを纏いながら、JC演じきる芦田愛菜よ。
複雑な表情をする愛菜ちゃんのアップを超絶多用してて余白作りまくってたけど流石に余白作りすぎじゃね?とも思った。
今村夏子は、小説の余白部分に新興宗教に対する新しい眼差しを産んでいたけど、それを達成するためには、もう少し余白を狭めた方が、演出を入れた方が良いんでねえのかと。
特にラストシーンは、原作では相変わらず薄気味悪さがあったりすれ違いがあったりしながらも、幸福感に包まれているような温かい希望のあるものだったけれど、映画の方は、家族のすれ違いにフォーカスが当たりすぎていて、ちょっと原作の意図とは異なるものがあった。
・それで言うと、ひろゆきくんカット、彼氏の宣誓カットはそうか
僕は春ちゃんの彼氏が宣誓するシーンが結構好きだったんだけど、そのシーンはまさに新興宗教に対する画一的な視線を打ち消すようなものなんだけど、これをカットしたということは、そちら側に振れていきたいということなんやろな〜。
そのほか
・芦田愛菜が演じる役の幼い頃の役を演じる子役の荷の重さよ。通行人「ブサイク」って言いまくるシーンはめっちゃ良かった。それでこそガキ。
・原さんよくね?
原さんモデルみたいで可愛くね?
・林よくね?
今村夏子の小説の中には、主人公と同じくらいの年の男子が出てくる。
そして、彼女のキモくて空しんどい物語の中で、天然で素直な振る舞いをしてくれて、気持ちを軽くしてくれる。この存在こそが今村夏子の小説の安息地帯であって、魅力を深める要素なの。だから、それをちゃんと林でやってくれたのは、良いよね。
映画館でみんな笑ってて良かった。久しぶりに映画館で笑った。素晴らしい。