柏エシディシ

ウィズアウト・リモースの柏エシディシのレビュー・感想・評価

ウィズアウト・リモース(2021年製作の映画)
3.0
ステファノ・ソリッマ/テイラー・シェリダンによるハードアクションfeaturingマイケルBジョーダン
そして、音楽は何故かシガーロスのヨンシー。最近映画音楽家付いてますな。ヨハン・ヨハンソンの後継者が思わぬところから。
トム・クランシー"ジャック・ライアン"シリーズの名キャラクター、ジョン・クラークを時代設定から人物までアップデート。
映画「今そこにある危機」ではウィレム・デフォーだった人がマイケルBジョーダンですから!w
その大胆な脚色は原作を知らずとも想像出来る。

この座組みならではの敵味方も解らない国際情勢の闇に巻き込まれるプロフェッショナルの男、という筋立て。
しかし、過去作ほどの男の矜持を感じさせる深みや構成の面白みはなく、「狼よさらば」や「ランボー」など往年のアクション映画の亜流に留まっているのは残念。
しかし、こちらの期待が大き過ぎるとしても、マイケルBジョーダンの鍛え上げらた肉体で繰り広げられるミリタリーアクションは見応え十分。
ステファノ・ソリッマらしいドライでテンポの良い演出と編集テンポもノーストレス。
たぶん、マイケルBジョーダンの"整った"個性とこのテンポの良さが、かえってプロットの軽さにも繋がっていて、「だろーね」と誰しもが納得してしまう黒幕の顛末と併せて物足りなさに直結してしまっている気がしないでもない。

しかしなんだかんだ言いつつ、原作でもお馴染みの「アレ」の登場を匂わせつつの続編にはちょっと期待。
ジョンとリッターの鞘当てをもっと見たいぞ、と。
より「エンタメ寄りのボーダーライン」シリーズとして独自の成長を目指すのも一興か、と。
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