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さよならテレビのギルドのレビュー・感想・評価

さよならテレビ(2019年製作の映画)
3.3
【報道の使命とビジネスの乖離】
セシウムさん騒動から数年後の東海テレビの最前線を映したドキュメンタリー映画。

〜感想・見どころ〜 
最前線で四苦八苦するリポーター、セシウムさん騒動で炎上を受けたキャスター、共謀罪を追う者の三人の目線で追うテレビ局の姿をありのままに映しています。

テレビが多くの人で成り立っている作品というのを強調していて、それがもたらす情報の流動性を描いている作品になります。
テレビとしての使命とビジネスとして数字を取りに行く姿勢のギャップ・矛盾を一貫して描いていて、そこがこの映画の興味深いところだと思います。
結局は競合他社と差別化できる情報の取り合い・数字の勝負で、ビジネスの成功を目指す一方でコンプライアンスを守ることの理想と現実を知るとやるせなさを感じます…

とはいえ、情報の取捨選択・表現の選択・使命を達成する追求に制限が存在するなど、テレビ局として想定できる情報が続いて「テレビ局としてのしがらみはそうだよね、知ってるよ」なことが多かったです。
個人的にテレビとスポンサーのしがらみ・闇を描いて欲しかったのに、そこを映さずに仕事のミスやサラリーマンの居酒屋で話す愚痴みたいな出来事を延々と垂れ流すのがナンセンスに感じました。
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