あさのひかり

プラド美術館 驚異のコレクションのあさのひかりのレビュー・感想・評価

4.0
今年プライベートでつらいのは行きたいのに美術館に行けてないこと!なのでこの映画、その代わりになればと、とても楽しみにしてました。

これはどちらかというと、プラド美術館の収蔵品を観るための映画じゃなくて、プラド美術館の背景を知るための映画だと思う。作品があまり映らないことに賛否があるのは映画を観てなるほど、と思ったけれど、私はこれで良かったと思う。この映画で足りない部分は、実際に美術館へ行ったら補完できることだから。そういう意味では邦題は罪深いかも。

ティツィアーノがこの美術館に重要な画家であることや、ゴヤが特異でとても興味深い画家であることは分かったし(今まで特別に興味ある画家じゃなかったけどすごく興味がわいた)、エル・グレコ私好きかもー、とか、好きなカラヴァッジョってスペインでも影響与えてたんだー、とか。なんだかあまり絵をちゃんと観れなかった割にちゃんと美術展行ったような感想・・なので私としてはかなり楽しんでいるのです。あと画家の名前覚えてないけど補強中っぽいピンク色だった「受胎告知」はアップで観てもめちゃくちゃ綺麗だったし、これまた画家はいまいち覚えてないけど、真っ黒背景に浮かぶ磔刑のキリストの絵を2点観たけど、どちらもとてもキリストが魅惑的、って見方はキリスト教徒じゃないから観れる見方かもしれませんが。ああこれら全部実物観てみたい。

ってこの映画、最後のシーンで作品そのものじゃなく作品の観賞者を写してたのが印象的で。アジア系の観賞者もいたし、「だからみんな美術館に来てね」がこの映画の趣旨だと思うし、そこは素直に気持ち乗ってます。とりあえず、コンビニで安いスペインワインを買っちゃったくらいにはスペインに行きたくなりました。
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