cana

プロミシング・ヤング・ウーマンのcanaのレビュー・感想・評価

4.3
予告を観たときからこれは観なければ!と思っていた。

めちゃくちゃ可愛らしいのにめちゃくちゃ恐ろしくもあるキャリーマリガン。
今まで愛らしい可憐な役柄が多かった彼女だからこそガツンと来た気がする。

泥酔状態からシラフに戻り睨みつけた瞬間、
さっきまで紳士的で優しかった男性たちが『自分は悪くない』と言い放ち、F●ckだのクソビッチだの汚い言葉を吐き捨てる。
そんな彼らに鉄槌をくだしていき、裸足でケチャップを垂らしながらホットドッグを頬張るキャシーはぶっ飛んでるけど本当にかっこいい!
今書いていて気づいたけどキャシーはどんなことを言われても中指は立ててなかった。
あれは敢えてだろうなぁ。

最初バーで泥酔してソファで無防備に寝てるキャシーに対して、正直、『これは危なすぎる…!何かあっても文句言えないよ💦』という気持ちを自然に自分が抱いていたことに、ハッとさせられた。
お酒をたくさん飲んでいようが、派手な化粧をしようが、ミニスカートを履いていようが、前途有望な彼女たちが他人から傷つけられていい理由には決してならないんだよね…
現実的には最低限の自衛は必要とは思いつつ、気づかないうちに自分も罪なき傍観者的な考えになっていたことにゾッとした。

監督曰く『この映画に悪人は出てこない。』のだという。
そういう意味では〝5人目〟はあの人だけではなく、どこかで他人事だと思って観ている私を含めた観客自身でもあるのだと思う。

と、ベースは復讐劇ではあるけど、全体的にはポップなエンターテイメント映画!
シンプルにストーリーもビジュアルもおもしろかったし見入ってしまった。
ドラッグストアのシーンはハッピーラブコメっぽくて(その後の展開のフラグになってて少しそわそわするけど)可愛くて好き。
ブリトニー・スピアーズやパリス・ヒルトンの音楽も効いてる。

ラストのメッセージ通り、観終わった後もじわじわと後を引く映画。
今年ベスト3に入る素晴らしい作品でした。

ちょっと気になったのは一人で来てるおじさまたちが多かったこと。
不思議だ…
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