サッカーと映画観るのがすき

プロミシング・ヤング・ウーマンのサッカーと映画観るのがすきのレビュー・感想・評価

3.5
アカデミー脚本賞作品だし、ここでの平均スコアもなかなか高い。気になってはいたけど、公開劇場ももう少なくなってきたこのタイミングで、なんとか滑り込み鑑賞。

率直な感想としては「思ってたのと違った…」でした。
予告編の印象から、サイコパス女のポップでバイオレンスなブラックコメディなのかと思ってた…。が、ぜんぜん違ったw
主人公のキャシーは実は良識的だし、ふつうの女性として魅力的だし可愛いとこあるし、復讐プランも衝動的ではなくちゃんと計算しているし、ぜんぜんサイコパスじゃない。
なのに、予告や本編冒頭ではサイコパス風に演出されているから、ちょっと中途半端というか矛盾するというか…。特に無関係な男性を対象とした夜の日課(?)についてはどうも動機付けに説得力がない。

監督・脚本のエメラルド・フェンネルの背景や作風はよく知らないですが、フェミニズム意識の高い方ではあるのでしょうね。
本作は基本的に女性目線で女性ならではの心理や行動が描かれているように思う。なので男の私から観るとどうも理解し難いところは少なくなかった。(劇中の男性たちの所業・過ちを擁護する気はさらさらないです。念のため。)
一方で、このテーマを性的描写なしで表現したのは女性監督ならではセンスだし、復習も暴力的な手段はとらずスマートに社会的ダメージを与える方法で、これも女性監督ならではだなぁと思った。

しかし、主演のキャシー・マリガン。演技はよかったと思うのですが、ちょっと30歳の役柄としては無理ありませんかね。それとも、事件以来時計が止まってしまった、20代を無為に浪費してしまったキャシーを、あえて年齢より老けてみせることで演出したとかなのか?

ストーリー・展開は意外性もありなかなか面白かったですが、ちょっと女性による女性のための映画という印象が強かった。