まー

プロミシング・ヤング・ウーマンのまーのレビュー・感想・評価

5.0
全ての観客に当事者性を認識させる作品。

単なる復讐劇ではありません。性差別・性加害が主題ではないです。

彼女自身の行動自体も"その時"何もできなかったことへの贖罪なのでしょう。
痛快復讐劇として楽しむのもそれはそれで良し。
でも「あなたは本当に関係ない人間ですか?」とⅠ〜ⅠⅠⅠⅠで問うてくることに気づけない人はどうかと思います。

「自分はいい人間だ」「自分は悪い人間じゃない」と自分で言っちゃう奴は性根が腐ってますからね、大体。

あとこの作品、男性だけじゃなくて女性もターゲットにされてるので。それがGLOWのアリソン・ブリーっていうのが個人的に刺さったんですけど、要は直接性加害を加えた人間だけじゃなくて、傍観していたあなたは無関係と言い切れる?ってことで。
学部長の言い分も酷かったですね。ああいうことです、はい。

ポスタービジュアルからなんとなく伝わってましたが、美術、音楽使いも見事。
キャリー・マリガンは間違いなく彼女のベストアクトです。ニコール・キッドマン、シャーリーズ・セロンのような風格を備えた感じ。それでいて時折少女のようなキュートな笑顔を見せるからすごい。

これだけは言いたい。
性犯罪被害にあった人に対して"自業自得"という言葉を使う奴は今すぐ死ね!(ウインク)
まー

まー