まとぅん

プロミシング・ヤング・ウーマンのまとぅんのレビュー・感想・評価

4.6
【「 ;) 」】
フォロワーさんのレビューでもよく見られる今作。インパクトのあるジャケットと痛烈なインパクトのあるストーリーとのことで鑑賞。

○俳優・クリエイターとして活躍するエメラルド・フェネルのオリジナル脚本による長編映画監督デビュー作。2021年のアカデミー賞で5部門にノミネート&脚本賞を受賞。女性監督が監督賞でノミネートされるのは珍しいそう。

○主人公キャシーを「ドライヴ」「華麗なるギャツビー」のキャリー・マリガンが演じる。
制作には「スーサイド・スクワッド」でハーレイ役のマーゴット・ロビーが携わる。
なるほど。見終わった後だと確かに。


ーごく平凡な生活を送っているかに見える女性キャシー。実はとてつもなく切れ者でクレバーな彼女には、周囲の知らないもう1つの顔があり、夜ごと外出する謎めいた行動の裏には、ある目的が...


○「プロミシング・ヤング・ウーマン」=明るい未来を約束された若い女性
そんなキャシーが、ある事件によって約束された未来を奪われたことから、復讐を企てる。

周りはどんどん変化していく中、彼女自身はその事件以来、あまり変化が無い。ファッション、恋愛、仕事など。
過去を忘れない。過去を「過去」にしないという思いがあるからか。
世の中のすぐにヤリたがる男たち、事件に関わった傍観者と加害者に復讐していく中で、赤ワイン、ケチャップ、口紅などの「赤🩸」が印象的。

○傍観者と加害者から出る言葉の数々は、男性目線での都合の良い解釈、酒に飲まれる方が悪い、男性の方が将来有望とする明らかな男尊女卑を示すようなものばかり。
それが男性だけではなく、「罪なき傍観者」である女性の口からも出てくる。そして都合の悪い記憶は抹消。


○ラストはどんでん返しが決まるものの、その過程でまさかの悲劇が。
復讐系は最後にスカッとするのが多いので、見た直後は正直な所、胸糞&モヤモヤしたが、
もしキャシーがベッドの上で復讐が遂げられた場合はどうだったのだろうか❓と考えたら、スッキリした。
スカッとした「復讐」の印象が強くなり、視聴者に突き付けられる「性被害」のメッセージ性は弱まっていたかもしれない。そして、これでこそ彼らに一生罪を償わせる方法だったのかもしれない。
性暴力に対して派手に暴れ回って復讐していくストーリーを予想していたが、良い意味で裏切られ、暴力の演出が全く映し出されない。ラストを除いて...。

過去の事件からキャシーがそこまで復讐に拘る必要は無いし、前へ進むべきなんだろうけど、大切な友人を守れなかった自分への償いとして「プロミシング」された責務を全うした、と言うのは過言か?
 
まとぅん

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