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選ばなかったみちのmoimoiのネタバレレビュー・内容・結末

選ばなかったみち(2020年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

過去の幻影の中に生きる若年性認知症の男とケアをする娘の1日。
選択できたかもしれない過去と現実の今が交錯する展開は目を引いたが、介護描写に首を傾げる部分があり集中できなかった。
あそこまで症状が進行した家族を独居させる。
訪問介護は日中のみ。
外出時におむつをつけない。
徘徊癖があるのに何の対策もしていない。
なるべく住み慣れた自宅で過ごさせたいと在宅介護をチョイスし、結果として歪みが出てどん詰まりになっていく動線を引いているのかもしれないが、正直に言ってノイズだった。
娘の姿勢を「美しい献身」とするのは危ういと感じる。

ラスト、娘は父に寄り添う者、ドアをあけてアパートの外へ出る者の2人に分離する。
心は側に置きながら在宅介護を諦め、施設入居を決めたのだと解釈した。
家族を介護施設に入れることはケアする側にとって大きな決断で、なかなか割り切れない感情もある。悩み、苦しみ、迷った末の決断だったのだろう。
しかしここまで引っ掛かりが多すぎたせいでストレートに受け止められなかった。
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