最近、「愛すべき夫妻の秘密」を観て以来、ハビエル・バルデムの評価が個人的に急上昇中。
おまけによ。
我が麗しの妖精ランキング、永遠の1位にランクインし続けるマイフェアリー、エル・ファニングことエルたんの新作ときたら、劇場へGOだ!!
それ以外に選ぶ道はない!!
あの日、あの時、あの瞬間…
別の道を選んでいたら—— 。
ニューヨークに住むメキシコ人移民レオ(ハビエル・バルデム)は、かつて作家であったが認知症を患い、娘モリー(エル・ファニング)やヘルパーに助けられて暮らしている。意思疎通も困難な父親を病院に連れ出すのにもモリーは苦労していた。しかし、同じ空間にいながら、レオは脳内で別の景色を眺めていた—— 。
バルデムの演技力に震えるッッ!!
表情はうわの空で、言葉すらも発しない。しかし、そんな父を厭わず献身的に世話する娘。
もう、エルたんがマジで天使である。
父が目の前にいるのに、"彼"という代名詞で語られる事を嫌悪するモリー。
「何故みんな"彼"って言うの?
パパはここにいるのに」
「本当にいると思う?」
辛辣な台詞に痺れてしまった。
お漏らししてしまった父に調子を合わせて、自分だってズボン脱いじゃうシーンはガン見しちゃうわ。
途中何度も映し出されるレオの回想シーン。しかしどうも様子がおかしい。
観終わった後、ポカーンとなって、
色々考えて、なるほどピコーンとなった。
以下ネタバレ含みます。
過去の描写は選ばなかった道。
「作家は頭の中でいつも書いている」というレオの言葉通り、混濁した意識の中で彼は選ばなかった2つの道について執筆していたのか…。
❶過去の恋人ドロレスと結ばれていたら、息子ネスターを亡くしていたという道。
❷モリーの母リタと結ばれるも、家族を捨て、遂にはボートの上で死んでしまう道。
❸そして、現実として選んだ道。
ラストシーンは、モリーにとっての、2つの選択肢。レオにもそうであったように、モリーにも選ぶべき道があるのだ。
家族と共にいるか、
家族を捨てるのか。
ラストシーンには思わず唸ってしまった。
これは、噛めば噛む程味が出る様なスルメ作品なのかも。