ホッパー

轟音のホッパーのネタバレレビュー・内容・結末

轟音(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

・片山亨とは何者か
・ラストについて

・片山亨とは何者か。安楽涼と片山亮。
 観たのは結構前です。2月27日シネマロサにて。ラストシーンに考えさせられるところがあって長らく書けなかった。

 観た動機から。去年彗星のように『1人のダンス』という映画で現れた安楽涼という若い監督がいた。奇跡の映像を映すことに成功している映画で本当におすすめです。話を戻して『1人のダンス』に脚本家として役者としても参加している片山亮さんはいったい何者かと気になっていた。『追い風』でも合同で脚本にクレジットされているし。そんな人がシネマロサで『轟音』をかけるというので気になって観に行った。

 観てるときに大宮将司さんという不倫してるラジオプロデューサー役の人は『AI崩壊』にも映っていたし勢力的に活動してるんだろうなとか思った。演技も生々しく。

 安楽涼さんと片山亮の大きな違いってなんだろう?と思いながら観てた。音楽の使い方はある気がすると思った。まだ片山亮さんの映画は一つしかみてないけど劇半が重厚感あるかなと思った。それは安楽涼さんがMV出身という対比もあるのかもしれないと思ってた。映画終わりでナオリュウさんというかたのライブがあり実は姉弟だという片山さんの作品の主題歌をほぼ歌っているだとか。なるほど身近に主題歌を歌えるようなアーティストがいるのは強みだしそれは色として出てくるなと思った次第。まだ一作しか自分は片山さんの作品みていないけどそんなことを思った。

・ラストについて
 ずっと考えていたのだけど想像を絶するひどいことが立て続けに起きて、そしたら自分は見ず知らずの人を殺してもいいぐらいの気持ちで殴るだろうか?主人公の少年は最初とても理性的に描かれる。ひどい状況でも崩れない真っ当な少年だ。でも立て続けにひどいことが起きて崩れる。そして最後には彼が暴力を振るう側になる。そのことをどう思うか。
 
 浮浪者の男・殴り屋の男は少年を逃がす。きっと同じような人間になってほしくなかったんだと思う。浮浪者の男の気持ちとしては新たな殴り屋の誕生という話ではないのだと思う。少年がどうなるかは分からないけど。

 余力があるうちは他人のことに想像力を働かせられる。優しいことが言える。ただ自分がいっぱいいっぱいになったときなってしまったときに自死を選ぶないかわりに他者を傷つけることもある(誤解があるな感情を爆発させるのもありだよ)ってラストを自分は分かる気もするけど肯定したくなかった。人がしんどくてしんどくてしかたなくてぶつける感情の先が知らない人というのは理不尽すぎると思った。

 とまぁそんなことを考えてました。こういう風に考えさせてくれる力を持った映画を作る人なんだということ改めて思う。次回作が楽しみです。
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