ひっきーくん

映画 えんとつ町のプペルのひっきーくんのレビュー・感想・評価

映画 えんとつ町のプペル(2020年製作の映画)
3.0
プぺ泣きせず……

この作品を一言で表すならば、「トゥルーエンドにたどり着けなかったアクションRPGゲームの一周目ノーマルエンド」である

映像の質感などはかなり進歩を感じて凄いと思った……がアクションシーンのテンポが非常に一定で見ていて眠くなる。
女キャラに性癖がつまっててキャラデザも悪くない……が、各キャラの掘り下げがあまりにもへたくそでひどい。
ルビッチ君=主人公の知らない過去が、キャラクターの現在の心情に影響を及ぼしていたり……なんていう場面が多くて脚本兼原作者がしたり顔で「行間読んでくださいよww」みたいに言ってる風にしか感じられなかった場面が多い。
その結果、キャラの感情がブレッブレでなんにも共感できない終盤の展開が何もかも唐突に感じられて冷める。

などなどの情報も詰め切れてない部分も、関連TIPやサブイベント回収できなかったんだろうなあ……って感じで納得できちゃうのがこの映画が如何に映画になりそこねたゲームのような代物だというのを強調させる。

素材はわるくないんだけど……


えんとつの煙で閉ざされた町 という世界観の設定や、腐る紙幣などの設定はわるくなかったのでそれを活かすような場面や設定が残らないのももったいないというか逆におかしいよね。
ルビッチの親父とのなんともいえない過去がクローズアップされているのもマイナス点。ていうかもう全部尺足りてない。序盤はいいけど、終盤に共感できる人物がだれも居なくなるので見ていて大変つまらない。

子供向けにしては難しい言葉が出てきたり、やたらとルビッチの親父像に原作者の怨念じみた理想を感じたりと、やろうとしたけどやりきれなかった箇所が目立つ。
部分部分に脳死した設定の弊害が出ているので子供は共感できないのではないかと思う。まあ大人もできないんだけど……