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野蛮人として歴史に名を残しても構わないのTenKasSのレビュー・感想・評価

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観客と演者の間を始め、境界が多層的に張り巡らされていてかなりゾクゾクした。
歴史を語る際に、文献を頼りとして「真実」を手繰り寄せるその仕草から、歴史そのものの欺瞞を抉り出していくショーの在り方。ショーの観客や映画の向こうの観客をその在り方に巻き込んでいくことが志向されているように思った。
ただ、その真実のあり方の対比として、スピルバーグのシンドラーのリストにあるフィクションの描き方を置くのはあっているようでお門違いなような気もした。フィクションが観客への喚起し得る真実は必ずしも、こういった学術的なやり方によってだけではない気がしたからだ。
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