さうすぽー

るろうに剣心 最終章 The Beginningのさうすぽーのレビュー・感想・評価

3.4
自己満足点 68点

実写シリーズのエピソード0にして完結編。
雪代巴役の有村架純がとにかく美しい!

ファンからの人気が高いOVA「追憶編」の実写化でしたが、この作品があまりにも傑作であるが故に期待と不安が入り交じっていました。

ちなみに「追憶編」はFilmarksのアニメに何故かレビュー出来ないのですが、個人的には自己満足点は95点以上付けます。
それくらい大好きな作品です。


まず良かったのが、ストーリーの世界観。
今までのるろうに剣心から映画のトーンがガラリと変わって、シリアスで美しい雰囲気が全体に出ていて「追憶編」の世界観に合わせてくれて良かったです。

映像面に関しては、特にラストの雪の場面が好きでした。
雪が舞う場所に赤い血が舞い散るのにかなりコントラストを感じました。

また、剣心を演じている佐藤健。
今までの剣心と比べても殺伐とした雰囲気があって、触れると容赦なく傷付けられるくらい危うい剣心を見事に演じていました。
また、佐藤健の劇中の佇まいや歩き方、一つ一つの仕草が完璧です。
歩いていても階段を下っていても体幹が全くブレない姿は人間離れした剣心を表しているようで本当に素晴らしかったです!
グッショブ!

また、アクションに関しては「the Final」ほど派手では無いものの、冒頭の口に刀を加えたアクションが非常に面白かったです。
最初観たときは「ONE PIECEのゾロかよ!(笑)」と突っ込みたくもなりましたが、一度アクションが始まると全然違和感ないくらい格好良かったですね。

1作目に出ていた窪田正孝も剣心や観客にトラウマを与えるくらいのインパクトだったので、今作でも入れてくれてありがたいです。

また、一番の懸念材料だった雪代巴。
自分にとって巴というキャラクターはアニメ・漫画の中でもトップクラスに好きなヒロインです。
そんなヒロインなので、誰がやってもあの美しさと儚さを演じられないんじゃないかと思ってました。
...ですが、そんな不安は一気に払拭されて、美しくて儚げな巴を見事に演じていました!


...良かったところは以上です。
不満も結構あります。


まずは台詞回しについて。
これは完全に脚本の問題だと思うのですが、登場人物の思惑や心情等を象徴する台詞が少なくてOVAの追憶編よりも解りにくくなってしまったのは明白です。
詳細はコメント欄にネタバレ込みで書きますが、この部分も今までと同じく実写るろ剣あるあるでもある脚本の弱さが目立ってしまったように感じます。

ちなみに、窪田正孝に付けられた傷から流れる血が本作のキーポイントになるのに今作では全く血が流れていなかったのもガッカリしたポイントです。
剣心と巴の絆を深める重要な部分なのに!

次に、剣劇における流血表現。
今までのシリーズに比べれば斬られた時の血の量は多めでしたが、追憶編として見れば足りなかったように思えます。
本作のレイティングは「G指定」であり全年齢対象です。そこは観る前から少し不安だったのですが、不安は的中しました。
追憶編は剣心の「不殺の誓い」を立てる前の血生臭くて残酷な斬り合いが醍醐味なので、人が殺される残酷さを流血多めで描いてほしかったです。

どうせなら年齢制限を引き上げてPG12やR15+にしても良いので、残酷表現をもっと過激にしてほしかったです。
X-MENシリーズの「ローガン」がR指定でも成功したし鬼滅の刃もPG12指定ながらも記録的なヒットを納めたので、グロ描写を過激にしても興行的に全然問題なかった気がします。

あと、このエピソード0である追憶編をもってるろうに剣心の実写が完結ということでしたが、観た感じは「the Final」を後に持ってきても全然問題なかった気がします。


感想を纏めると、良くも悪くも期待通りな所と不安な所が出ていました。
一応そこそこ楽しめましたが、やはりアニメ版を超えられなかった部分が無かった印象です。