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るろうに剣心 最終章 The BeginningのYAEPINのレビュー・感想・評価

3.8
実写版『るろうに剣心』シリーズのあるあるとして、「キャストがイケメン過ぎてそちらに気を取られストーリーがよく入ってこない」、がある。

佐藤健、高橋一生、安藤政信、村上虹郎、窪田正孝、北村一輝、、、、、最高のキャスティングに最高のビジュアルをありがとう。
『スパイの妻』でも思ったが、高橋一生の、表向きは優しくて物腰柔らかいが、目の奥では常に何かを思案していて手放しでは人を信用しない、といった演技が好きすぎる。

本作では剣心の10年前を回想した物語であるため、剣心は10代設定で、頭の髷も高く結っていたのでJKバリの可愛さだった。

毎度のことキャストの顔面に気を取られているうちに、気が付けばストーリーはどんどん地雷臭が増していき、原作未読のためそのメンヘラっぷりに驚愕した。
少年ジャンプでこんなドロドロした恋模様が連載されていたとは。

といいつつ、映画版の演技や演出の効果によるところが大きい気がする。
恐らく漫画では、悲劇の大恋愛くらいのテイストで読めたのかもしれない。

有村架純は丸みを帯びた頬の形に似つかわしくないほど顔面蒼白で、儚い美しさをたたえるが、何を考えているのかが読めなすぎて、かなり情緒不安定に見えてしまい怖かった。
よって彼女を愛してしまう剣心の心情もあまり掴めずで、少し置いていかれてしまった。

その後のクライマックスでは、雪の白、土の黒、そして火と血の赤の3色のみで画面が構成され、非常に静謐で美しかった。
これもまたメンヘラを表現したような色彩で、美術効果としては抜群だったが、益々二人の関係性が末恐ろしかった。

後編の冒頭で、この話を聞かされた薫殿がメンヘラに狂って剣心を刺し殺そうとしたら面白いな…(最低)
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