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17歳の瞳に映る世界のKOUSAKAのレビュー・感想・評価

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)
5.0
傑作です‼️全く新しい価値観で紡がれた大傑作ですよ、皆さん‼️

たまたま『83歳のやさしいスパイ』の次に見たんですが、83歳→17歳の振れ幅に我ながら笑えました😆

本日2021年7月22日時点で劇場鑑賞249本目ですが、また一つ、今年ベスト1候補が現れてしまって、ただただ嬉しい悲鳴を上げる以外、今は何も思い付きません😵‼️

皆さんがおっしゃる通り『プロミシング・ヤング・ウーマン』との共通点と演出の違いに思いを馳せながらセットで見るべき作品だと思います。

17歳の少女たちが中絶をするために田舎から都会に旅に出ると言うお話は、ありそうで実は今まで見たことない斬新なストーリー。

まず、いわゆるシスターフッド映画って、女性同士のマシンガントークで魅せる作品が多い中、ここまでセリフが徹底的に抑制された作品は本当に珍しく新しい。

オータムとスカイラーは、キャラ的には真逆やけど、言葉が無くても心の内が分かり合える2人なんだということが痛いほど分かるし、逆にペチャクチャ話すよりも、ただそばにいてくれるだけで心強い。

そんな2人の関係性が終始尊いシーンがたくさんありますし、そんな2人だからこそ、終盤でのホントに中身のないくだらない会話(ダンゴムシみたいなパン😆)が逆に心にグッと来ました。

オータムとスカイラーが、両親に頼れない状態で、非力な自分たちだけで何とかこの困難を解決しようとするサマはホントにハラハラさせられるし、とにかく全力で応援したくなります。

ギミック演出をとことん排したリアリズムを追求する作品でありながら、実はエンタメ作品的なエンジンもしっかり備えているという奇跡的なバランスが最大の魅力だと思います。

リアリズムという点で言うと、予期せぬ妊娠を強いられてしまった女性がいかに厳しく辛い立場に追い込まれるかを、中絶を行うまでの手続きや処置の流れを細部に渡って描写することで追体験出来るので、世の中の男性たちは全員見るべきだと思います😠

ここで初めて、原題の「Never Rarely Sometimes Always」が持つ重い意味も分かるようになっていますので、本当にたくさんの人に見て欲しいです。

エンドクレジットで流れる曲は、オータムのお母さん役シャロン・ヴァン・エッテンが歌っているんですが、今作を通じてオータムとスカイラー2人に感情移入してしまって「お母さんが恋しい」気持ちが伝染したのか、彼女の歌声が本当に心に染みました😭
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