hikari

17歳の瞳に映る世界のhikariのレビュー・感想・評価

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)
4.5
17歳はまだまだ子供だということがちゃんと描かれていてよかった。2人の幼さが際立つ。

なんか、妊娠させた方は何も知らず、ノーダメージで毎日ぐっすり眠れているんだろうなと思うとしんどい。
妊娠させた側は、責任負わずに逃げることができてしまうから、だからこそ、女と子供を救済するケアの仕組みが社会に必要なのでは。
でも結局、妊娠したのは自己責任だし、中絶は人殺しで、シングルマザーはだらしなく、ピルを飲むのはふしだらで、アフターピルは無知な女が使うからだめだと言うんでしょう。
そうやってさまざまなケアを怠った先に、こういうことが起きるのよ。胸が痛い。

あと、普段の生活の中の無数のセクハラ。ああいう、ありふれた、小さく陰湿な加害が、若い女の子たちの尊厳と活力を奪っていくんですよ。そりゃ無気力にもなるわ。

バスの男にお金借りるために接待するシーン辛かったな。私も、もっと若い頃は、デートして奢ってもらったから、手は繋いどかなきゃな、とか、奢ってもらっているからキスを拒んだら悪いよな、とか思って応じてしまうことがあったのを思い出した。キスシーンでの、少女2人の連帯に泣いた。

カウンセリングのシーンは忘れないと思う。
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